ベビメタ七転八倒

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ハロプロのロックナンバー15選 ③

前回までで私の仮想コンピレーションアルバムの1曲目から9曲目を紹介しました。今回は最後の15曲目までを語っていきます。まずは『カタオモイ。』(Buono!)に続くこの曲から。

 

10. Independent Girl 〜 独立女子であるために(Buono!

作詞:岩里祐穂、作曲・編曲:木之下慶行

自分が Buono! のファンになったきっかけがこの曲です。2017年横浜アリーナでの最終コンサートの映像を見て、問答無用の格好良さに目と耳を奪われてしまいました。

まずイントロのギターリフが、どこか聞き覚えのあるような音でありながら、この曲が只者でないことを強烈にアピールします。ライブ会場でこの音が鳴り始めるのを聴いたらさぞ高揚したことでしょう。

そして歌う三人の厳しい表情です。中でも嗣永桃子の目の鋭さが強く印象に残りました。当時ハロプロのことをほとんど知らなかった私は、鈴木愛理の名前は辛うじて知っていたものの、嗣永桃子夏焼雅は名前の読み方すらわからない状態でした。なので、最初に刷り込まれた「独立女子」での嗣永と普段の”ももち”とのギャップに、その後仰天することとなります…

なぜ自分は行かなかったのかと激しく後悔するライブというものが自分にもいくつかありますが、横浜アリーナでの Buono! ラストコンサートはまさにそれです。当時のLVの映像をそのまま映画館で流すイベントとかできないでしょうか。

 

11. 次の角を曲がれ(℃-ute

作詞・作曲:中島卓偉、編曲:鈴木Daichi秀行

自分は音楽を聴く時に歌詞のことをほとんど気にしていません。それは日本語でも外国語でも一緒で、普段はボーカルも楽器と同じ「音」として聴いているのだと思います。ところが、この『次の角を曲がれ』の場合は、初めて聴いた時になぜか歌詞が真っ先に頭に入ってきたのです。

本当に素晴らしい歌詞なので、一部を引用してみます。

この道を行くことが 苦しくなってきたら
次の角を曲がれ

どれだけ歩いても 答えが出ないのなら
次の角を曲がれ

真っ直ぐに進むこと それだけがすべてじゃない
横にだって斜めにだって 道はある

悔しくって 悔しくって ぶち壊したい夜があっても
どこまでも どこまでも ひとりぼっちの夜が来ても
その先を曲がったら 見たこともない星空が広がってるさ

「道は曲がりくねっているけれど進んでいこう」とか「時には後戻りも必要だ」という歌はたくさんあると思うのですが、「横に曲がれ」と言う歌は少ないのではないでしょうか。しかも「次の角を」という言葉が絶妙で、歩いている相手の肩を後ろからそっと押して横を向かせるような、ふとしたきっかけを与えてくれる情景が目に浮かびます。

作詞・作曲の中島卓偉がギター一本で歌った動画があります。こちらも素晴らしいのでぜひお聴きください。(31分34秒から)

 

12. 弩級のゴーサイン(モーニング娘。'17)

作詞:児玉雨子、作曲:星部ショウ、編曲:Yocke

13期が加入した2017年は、その前後には見られない曲調の楽曲がモーニング娘。にいくつも現れた面白い年でした。『BRAND NEW MORNING』、『若いんだし!』、そしてこの『弩級のゴーサイン』。ひたすら明るく伸びやかな歌を聴ける珍しい曲です。

児玉雨子作詞・星部ショウ作曲の作品はハロプロに多数ありますが、モーニング娘。では『五線譜のたすき』と『弩級のゴーサイン』の2曲だけのようです。また、『五線譜のたすき』の方はテレビ番組のエンディングテーマとして作られた特殊な楽曲ですので、『弩級のゴーサイン』は実質的にモーニング娘。で唯一の児玉・星部曲だと言えるでしょう。

2019年の春ツアーでBEYOOOOONDSがこの曲をカバーした映像があります。もともとビヨの曲だったのではないかと思うほどフィットしていて驚いたのですが、児玉作詞・星部作曲であればそう感じても不思議ではないのかなと納得しました。

 

13. I surrender 愛されど愛(モーニング娘。'19)

作詞・作曲:つんく、編曲:大久保薫


こちらは『弩級のゴーサイン』とは打って変わり、「ザ・つんく」「ザ・モーニング娘。」としか言いようのない楽曲で、この2曲の対比が面白いです。曲名も歌詞も歌メロも譜割りも、何もかもがモーニングっぽいですね。

特に歌の刻みの細かさが特徴的です。しばらく前に投稿した記事(「鞘師里保の歌唱はリズムセクションである②」)で『One・Two・Three』には1拍を超えて音が伸ばされるのが14回しかないと書きましたが、『I surrender 愛されど愛』ではたった2回。しかも1.5拍伸ばしているだけという徹底ぶりです。頭から終わりまで高速の細かく強いビートが貫徹され、聴く側はいやでも乗せられてしまいます。

2019年の ROCK IN JAPAN FESTIVAL では、この曲は盛り上がるからというメンバーの強い希望でセットリストに無理やり追加し、その結果MCの時間が限りなくゼロに近くなったというエピソードもありました。

 

14. DEEP MIND(Buono!

作詞:おのりく、作曲・編曲:AKIRASTAR


いよいよラストスパート。最後は Buono! の曲を2つ続けます。まずは、人気曲『初恋サイダー』とのダブルA面シングルに収録されている『DEEP MIND』。『初恋サイダー』のポップな明るさとは対照的に、タイトル通りディープで力強い曲調と歌声が印象的です。

素人の推測ですが、この曲は歌うのに相当体力が必要なのではないでしょうか。特にサビの部分で「絶対解ける 謎の鍵を探そう」「難攻不落な 不安襲ってきても」と歌うところは、1オクターブの下降と上昇を2回繰り返した直後に高音のロングトーンという大変な展開を二度繰り返します。しかも、ラストの3回目のサビではこのパターンを連続してもう一度繰り返すという鬼のような構成で、この曲を聴くたびに「お疲れ様」と声を掛けたくなります。

 

15. ゴール(Buono!

作詞:AKIRASTAR・岩里祐穂、作曲:AKIRASTAR、編曲:井上慎二郎・AKIRASTAR

今回の仮想コンピレーションを思い立った時に、最後の曲は『ゴール』にしようとすぐに決めました。横浜アリーナの最終コンサートで、アンコール前の本編ラストに演奏された曲で、センターステージの回転する舞台がゆっくりと下降していく光景が脳裏に浮かびます。

リズムを刻むギターの音だけが鳴り始め、そこに歌が乗っていく導入部分の静謐さ。そして、アルバム音源では最後がフェードアウトで終わっていて、余韻が心に残ります。

この曲は2ndアルバム「Buono!2」に収録されているのですが、こんなにも「最後」にふさわしい楽曲が早い時期に作られていたのが不思議な気がします。MVが無いのが残念ですが、ぜひ聴いていただきたい名曲です。

 

さて、以上でハロプロでロックサウンドを楽しめる楽曲のコンピレーション15曲を語り終えました。

読んでいただいた皆さん、ありがとうございました!