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【ネタバレ】森ビヨが凄かった!

この投稿ではBEYOOOOONDS(演劇女子部)のミュージカル公演「眠れる森のビヨ」について語ります。まだ観ていないが観る予定のある人にはお勧めしませんし、1度観ていて今後2度目を観る予定のある人も読まないほうが良いかもしれません。

 

 

それでは、もう少し下から書き始めます。

 

 

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自分はつい先ほど2度目を観てきました。既に観た皆さんもそうではないかと思いますが、1度目はとにかく意外な展開に追いつくのがやっとだったので、2度目はこのストーリーがどのように仕組まれているものなのかを、冒頭からじっくりと目と耳をフル稼働させて舞台で起こることを観察していきました。

ああこういう伏線があったのか、1度目はここで幻惑されたのか、といろいろ気付くことがあったのですが、心の中で「あっ!!」と叫んだのがステージの終盤、バス事故で演劇部員の皆が倒れ命を落とすシーンでした。

これって LILIUM の最後と同じではないか?!

気が付いてみれば、なぜ1度目に観た時に気がつかなかったのか不思議なくらいです。でも一旦そう思うとあれやこれやがどんどんつながってきて、もはや自分の頭の中では「森ビヨは BEYOOOOONDS版 LILIUM である」としか考えられなくなりました。

まず何と言っても、ヒカルの夢の中に現れている演劇部が、LILIUMでリリー達がいたクランの少女達と鮮やかに重なります。

繭期の吸血種が収容されるクランでの生活、しかしそこで経験したはずのことがファルスに操作された記憶なのかもしれず、更にはそれらのすべてが繭期の幻想なのかもしれない、という重層構造が LILIUM にあります。一方森ビヨでは、ヒカルの夢の中での演劇部の活動とヒマリの住む現実世界が重なり、さらに物語の前半ではむしろヒマリの方が幻影であるかのように見せることで、こちらでも現実と幻想が複雑に織り重なった構造になっています。

リリーはイニシアチブを取って少女達全員を自死させることによってクランを終わらせ、自分自身は不老不死の存在として生きていくこととなりました。一方のヒカルは、自分の遅刻がなければ起こらなかった事故で命を落とした演劇部のメンバー全員と決別し、現実世界を生きて行くことを選択します。

ヒマリの存在も LILIUM と色々重なります。秘密を暴く先導者の役割はシルベチカであり、ヒカルの心の支えになる部分はスノー、対話を続けて寄り添い続けるところはチェリーでもあります。

ヒカルが現実世界に戻らず夢の中にとどまる選択をしたらどうなったでしょうか。自分の想像では、バス事故の直前でリセットが起こって物語の冒頭に戻るというループを何度も繰り返すのだろうと思います。クランの秘密が暴かれるたびに少女達の記憶をファルスがリセットしたように。

 

というわけで、観劇後の興奮状態でいろいろ書いてしまいました。当然ながら私の妄想であり、森ビヨの脚本を書いた中島庸介さんが LILIUM を模したということはないでしょう。ただ、音楽が LILIUM と同じ和田俊輔さんだということで、私の意識が刺激されたのかもしれません。

 

ついでにもうひとつ。終演時にお辞儀をする平井美葉の姿が、私にはLILIUMや黑世界での鞘師里保の姿と重なって見えました。どなたかがツイートでも書いていましたが、森ビヨはハロプロの歴史に残る名作・名演となるのではないでしょうか。