ハロプロのロックナンバー15選 ②
前回の投稿では3曲目までを書きました。『CHOICE & CHANCE』『ドンデンガエシ』『私を創るのは私』とエネルギー量の多い曲が続いたので、ここで少し雰囲気を変えましょう。
鈴木愛理と、℃-uteのロック番長・岡井千聖(個人の感想です)のデュエット。アコースティックギターの上で岡井がハスキーな声を張っているのがとても気持ち良い曲です。
この曲のオリジナルはシングルCD『会いたい 会いたい 会いたいな』のカップリング曲でしたが、翌年に板垣祐介が再アレンジした『悲しきヘブン(Single Version)』 がA面曲としてリリースされました。Single Version もオリジナルを損なわない良い楽曲ですが、今回の仮想コンピレーションの構成ではインストがシンプルなオリジナルの方を選びました。
残念ながらオリジナルにはMVが無いので、Single Version のリンクを貼っておきます。
℃-ute『悲しきヘブン(Single Version)』[The Grieving Heaven(Single Version)] (Promotion Ver.)
5. MY BOY(Buono!)
『悲しきヘブン』で鈴木愛理の歌声を聴いてしまうと、どうしても Buone! に行きたくなります。ということで、Buono! からの1曲目はこちらを。
ロックバンドをバックに歌うことを最大の特徴とした Buono! ですが、結成から暫くの間は明るいポップな歌メロの楽曲が大半でした。そんな中で出てきた『MY BOY』は、リリース当時の記事によると「激しいデジタルロック・サウンドを取り入れたアッパーチューン。これまでのポップなロック路線とはひと味違ったBuono!の新境地を楽しむことができ」(音楽ナタリー)とのことで、重めの路線に踏み込む転換点となった楽曲のようです。
1番のAメロで、2本のギターがリズムを刻む歪んだサウンドが左右のスピーカーから響く中、嗣永桃子、鈴木愛理、夏焼雅の順に伸びやかな声で歌っていくところが何とも気持ち良いです。
6. みかん(モーニング娘。)
作詞・作曲:つんく、編曲:鈴木Daichi秀行
モーニング娘。にはロック色の強い楽曲は決して多くありませんが、高橋愛がリーダーに就任した前後の2007年にロック調の曲がなぜか集中的に発生します。『悲しみトワイライト』、『Hand made CITY』、『Please! 自由の扉』、そしてこの『みかん』。翌年以降はR&BやEDMに急速に集中していくことになるので、この大きな転換の前夜とも言える時期に起きた面白い現象です。
『みかん』と言えばやはり2019年の ROCK IN JAPAN FESTIVAL ですね。巨大なメインステージに午前の一番手で初登場し、一曲目で「まぶしい朝に WOW WOW CHANCE」「何度も夢を見てきた あきらめたりは出来ない」と歌う、最高にロックな光景でした。
7. 情熱エクスタシー(℃-ute)
作詞・作曲・編曲:中村佳紀
ハロプロの素晴らしいところの一つに、インストの録音風景を動画で見せてくれるところがあります。ギター、ベース、ドラム、管弦楽器などいろいろあって、見ていて本当に楽しいのですが、これまでで最も興味深かったのがマーティー・フリードマンによる『情熱エクスタシー』の録音でした。
1本目↓ 33分12秒から
MUSIC+85 ℃-ute REC映像(ギター編)、チャオベッラMV解禁、カントリー・ガールズ「音楽用語編講座 」 、中島卓偉、安倍なつみ、アプガ(仮)ライブ映像他 (12/25/2015)
2本目↓ 30分59秒から
MUSIC+86 カウントダウンライブ映像(ラベンダー、ビタスイ、チャオベッラ、アプガ)、℃-ute REC映像(ギター編)、カントリー・ガールズ「用語編講座 」 他 (01/08/2016)
ギターソロ部分の録音だけでなく、バッキングの音の重ね合わせも含めて隅々まで見せてくれて大満足。あの分厚い音はこうやって作られていたんですね。
これだけ力を入れて作った楽曲でありながら、アルバム曲なのでMVが無いのが残念。初披露のライブ映像は「ハロ!ステ #146」で見ることができます。
8. 永久の歌(Berryz工房)
Berryz工房 『永久の歌』 ([Berryz Kobo(Song of Eternity])(Promotion Ver.)
コテコテの『情熱エクスタシー』で疲れた耳を休めるにはさわやかな曲を。自分はまだBerryz工房の楽曲をほとんど知らないのですが、たまたま見つけたこの曲が良かったのでリストに加えました。
Berryz工房にはなんとなく癖が強そうなイメージを勝手に持っていたのですが、『永久の歌』はスッキリとして力みのない作品でした。嗣永桃子と夏焼雅の声が含まれていることもあってか、全体に Buono! に似た印象も受けます。Berryz工房の最終シングルに収録されている曲で、だから「永久」なのですね。
9. カタオモイ。(Buono!)
作詞:川上夏季、作曲・編曲:AKIRASTAR
Berryz工房を通って、また Buono! に戻ってきました。Buono! の3rdアルバム『We are Buono!』に収録されているアルバム曲です。
この曲は、AメロとBメロが長調で、Aメロ前半が嗣永桃子→Aメロ後半が夏焼雅→Bメロが鈴木愛理と一人ずつ歌っていくのですが、サビに入った途端に短調に転じて三人のユニゾンになる。その瞬間が何とも美しくて、何回聴いてもこの転換のところで唸ってしまいます。
Buono! の素晴らしいところはいろいろあると思いますが、最大の魅力は嗣永・夏焼・鈴木の三人の声を合わせた時に生まれる何とも言えない音色なのではないでしょうか。三人でパートを分けてハモるのも綺麗なのですが、それよりもユニゾンの方が豊かな響きが生まれるように感じます。本当にいつまでも歌声を聴いていたくなる、奇跡のユニットでした。
さて、『カタオモイ。』前半の長調部分は『永久の歌』の明るさを引き継ぎ、後半の短調部分からは次の『Independent Girl 〜 独立女子であるために』へと繋がっていきます。続きは次回の投稿で。