ベビメタ七転八倒

ベビメタのブログだったのに最近は鞘師多め

ステージで譜久村聖が作る土台

一昨日と昨日、ハロプロの春ツアー「花鳥風月」からチーム花とチーム鳥の公演映像が相次いで配信開始されました。ハロプロの5つのグループのメンバーをシャッフルして4つのチームに分けた今回のツアーで、「花」と「鳥」に割り振られたのは次のメンバーでした。

チーム「花」
(モーニング) 譜久村聖野中美希横山玲奈・北川莉央
(アンジュ) 上國料萌衣・為永幸音
(J=J) 井上玲音・工藤由愛
(つばき) 新沼希空小野瑞歩
(ビヨ) 一岡伶奈・島倉りか・小林萌花

チーム「鳥」
(モーニング) 小田さくら羽賀朱音
(アンジュ) 笠原桃奈・伊勢鈴蘭・松本わかな
(J=J) 植村あかり
(つばき) 山岸理子・谷本安美
(ビヨ) 西田汐里・江口紗耶・山﨑夢羽

チーム「鳥」は当初の予定から佐藤優樹高木紗友希の二人が抜けたものの、小田・植村・山﨑・西田・伊勢と歌唱力の高いメンバーが揃っています。「花」と「鳥」がそれぞれどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、期待して配信を待ちました。

そして・・・。配信を観た結果、2つのチームから私が受けた印象はかなり違っていました。一言で言ってしまえば「花」のステージに感動したということなのですが、問題はそれがなぜかです。いつものように思い込みと妄想だらけになりますが、掘り下げてみたことを書いていきます。

 

最近たまたま目にしたYouTube動画のコメント欄に「音声を消してステージ映像を見ると誰がダンスが上手いのかがよくわかる、と鞘師里保が言っていた」という内容が書かれていました。これはとても興味深いと思い、試しに '14 の映像を音声ミュートで見てみると、鞘師が際立っているのは予想通りとして、道重さゆみの動きも非常に目を引くことに気づきます。

道重と鞘師は単に個人として目立っているというのではなく、パフォーマンスしている楽曲の一瞬先の世界を先取りして、全身の微かな動きでそれを表現しているように感じます。ステージ上でこの二人の動きを肌で感じる他のメンバーは否応なく巻き込まれ、その結果としてあのような結束力と説得力に溢れたステージが出来上がったのではないでしょうか。

 

では、同じように今回の「花」と「鳥」の映像を音声無しで見てみるとどうでしょうか。

チーム「花」では、まず圧倒的に譜久村聖の動きに目が吸い寄せられます。決して大きな動きではないけれど、楽曲の最初から最後まで全身に一瞬の隙も作らない完璧なポージング。楽曲の中で鳴るすべての音が体に入っていて、それが体のどこかですべて表現されています。

そして、彼女が動き出すタイミングと動きの緩急、息を吸うブレスの深さ、そういったものがステージ上のメンバーに伝わり、全員が共通して頼れる土台が出来上がっているように感じられます。その土台の上で、上國料萌衣小野瑞歩・工藤由愛・為永幸音といったメンバーが安心して弾けていて、全員が個性を十分に出し切りながら一体感もある素晴らしいステージとなりました。

「花」ではもう一人、野中美希の存在も大きいと感じました。譜久村とはまた違う身のこなしで、A地点からB地点に最短距離でシャープに動くとでも言いましょうか。周囲のメンバーは、野中から大きくズレなければ大丈夫というような、頼れる柱になっていたものと思います。このところ進境著しい野中ですが、譜久村・野中の二人が引っ張るモーニング娘。を見てみたいと思いました。

一方、チーム「鳥」はどうだったでしょうか。音を消した画面から伝わってくるのは、小田さくら植村あかり・山﨑夢羽・西田汐里といったメンバーが全力で頑張っていることです。ただ、その頑張っている動きのスタイルが一人一人かなり違っているために、一つのパワーにまとまっていかないもどかしさをどうしても感じてしまいました。

土台がしっかりしていれば、歌やダンスが多少乱れても勢いで走る抜けることができるでしょう。しかし、個々の頑張りに頼るパフォーマンスは綱渡りのようなものとなり、一つのミスをも恐れざるを得なくなってしまう。グループパフォーマンスの奥深さを垣間見た気がします。

 

6年半にわたってモーニング娘。のリーダーを務め続けている譜久村聖。その経験と力がダテではないことを今回改めて思い知らされました。そして、今回の「花鳥風月」がハロプロメンバーにとって更なる成長の場になっているだろうことも感じられました。次は来週、「風」と「月」の配信が楽しみです。