ベビメタ七転八倒

ベビメタのブログだったのに最近は鞘師多め

続・鞘師里保が教えてくれること

先日の「鞘師里保が教えてくれること」の投稿は多くのかたに読んでいただけたようで、通常の25倍ものアクセス数があって大変驚きました。コメントやツイートもいただき感謝しています。ただ、想像ですが、モーニング娘。に対して乱暴な表現をしてしまった部分には、不快な気持ちを抱かれた人も少なからずいらしたものと思います。改めてお詫びをするとともに、その後自分がモー娘の動画漁りを更に続ける中で感じたことを今回書かせていただきます。

モー娘とベビメタとの違いは実に多くありますが、私が着目したのは楽曲の歌詞です。モー娘在籍時に鞘師が歌った代表的な(と思われる)曲をいくつか見てみましょう。

Only you

愛は不思議/強くなるの/私じゃない/私がいる/Ah 邪魔などさせない/愛の力/見せてあげる

One・Two・Three

愛情もっと/情報もっと/放任なんて/許さない/乙女はいつでもよしよししてほしい

Moonlight Night 〜月夜の晩だよ〜

月夜の晩だよ エビィバディ/Moonlight night Moonlight night/Hey 見てるもいいけど 騒ごよ/Moonlight night Moonlight night/ドレスをまとい/可憐に舞う/みんなごらんよ/私のセクシーダンスを

では、鞘師がモー娘で活動していた2011年から2015年頃にBABYMETALはどのような歌を歌っていたでしょうか。

イジメ、ダメ、ゼッタイ

イジメ(ダメ)イジメ(ダメ)/カッコわるいよ(ダメダメ ダメダメ)/傷ついて 傷つけて/傷だらけになるのさ/キツネ(飛べ)キツネ(飛べ)/きっと飛べるよ/苦しみも 悲しみも/全て解き放て/君を守るから

メギツネ

古の乙女たちよ かりそめの夢に踊る/幾千の時を超えて今を生きる/ああそうよ いつでも女は女優よ/キツネじゃない キツネじゃない 乙女なメギツネ/ああ ヤマトナデシク 女は変わるの/顔で笑って心で泣いて そうよねって涙は見せないの

ド・キ・ド・キ☆モーニング

知らないふりは嫌い嫌い/知らない世界見たい見たい/四次元五次元期待期待/テンパー背伸びしたいしたい よねっ/りんりんりん おはよう Wake up/お願いチョ待ってチョ待って/りんりんりん  焦らず Hurry up/バタバタモーニング

両者を比べてみて感じるのは、ベビメタの歌は外の世界に向けて意識を解き放つ感覚が強いのに対して、モー娘の歌は自分を見つめるミニマルな内容が多いことです。モー娘もベビメタも、メンバーは小中高校生の時期にこれらの楽曲を懸命に練習してきたのですから、彼女達のステージ上の姿に楽曲の性格が反映するのは当然です。

前の投稿で私は『初めてモー娘のステージをじっくり見て強烈に感じたのは、メンバーが「自分のために」演じているように見えることでした』と書きました。今の時点で思うのは、その印象が生まれたのはモー娘の楽曲群がメンバーに与えた影響によるものなのだろうということです。

さて、そこで鞘師里保です。私には彼女がモー娘の楽曲を超越しているように見える。鞘師里保が表現したい何かが未分化の形で彼女の中に存在していて、それをモー娘の楽曲という場を借りて放射していると感じるのです。

これは彼女が楽曲をないがしろにしているという意味ではありません。これまで見た鞘師里保の動画の中で最も感銘を受けたのが「キマグレ絶望アリガトウ」です。この曲は2012年6月に上演されたモー娘主演の舞台「ステーシーズ 少女再殺歌劇」の中で鞘師里保が歌ったもので、この舞台での歌唱も見ましたが、その3年半後の2015年12月にソロライブで歌ったものが鬼気迫るパフォーマンスで本当に凄い。もとの歌劇の世界観を十分に咀嚼した上で、どこか宇宙の彼方と交信しているようなのです。大きな器を得られればいくらでもスケールの大きな表現者になっていきそうな、豊かなポテンシャルを感じました。

楽曲を超越するパフォーマーといえば、我々にはもう一人知っている人がいます。そう、MIKIKO師に「曲に勝つダンスをする」「ぶっ飛び系」と評されたSU-METAL/中元すず香。もちろん歌のぶっ飛び具合でも伝説に事欠かない彼女ですが、私が受けたインパクトの度合いでは、2011年9月にアクターズスクール広島の発表会で歌った「オトシモノ」、2012年9月にさくら学院ららぽーと豊洲で初披露した「マシュマロ色の君と」が双璧だと思ってきました。ところがこの7月6, 7日に名古屋で彼女が歌った「Shining Star(仮)」を聴いて、改めてぶっ飛ばされました。ここまで声を張る必要があるのか、とも思うものの、この人はまだまだ大きく成長しそうだと実感させられたのでした。

楽曲を超越する二人。SU-METALと鞘師里保が今後どのような世界を見せてくれるのか、本当に楽しみになってきました。