ベビメタ七転八倒

ベビメタのブログだったのに最近は鞘師多め

モーニング楽曲のBPM全史①

BABYMETALのブログだったはずが、鞘師里保を通してモーニング娘。に辿り着き、もはやモーニング研究ブログにしか見えませんね。それなら別のブログ名にするべきかとも思うのですが、それもなかなか面倒なので、当面このままでご容赦ください。

さて、以前の投稿でモーニング娘。の楽曲の速度(BPM)について触れたことがありましたが、今回はそのBPMについて更に見ていきます。前回は腕時計の針を見ながら雑に測っただけでしたが、今回はスマホメトロノームのアプリを導入しました。アプリの画面はこんな感じです。

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このメトロノームで楽曲の速度を測るのがなかなか楽しくて、ついやってしまいました。1997年から現在に至る23年分のモーニング楽曲のBPMを片っ端から計測するという暴挙を。

ただ、シングル曲はカップリングも含めてほぼ網羅できたはずですが、アルバム曲は "にわか" ファンである私でも知っている曲だけに限定しました。それでも測った数は150曲に及び、モーニングの歴史の厚みを改めて感じました。

こうして楽曲速度を計測した結果をグラフにしてみたのが下の写真です。(見にくくてすみません。画面を拡大してご覧ください。)

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一番左の『愛の種』(1997年11月)から右端の『ギューされたいだけなのに』(2020年12月)まで、横軸の左から右に向かって発表順にBPMを点で示しています。縦軸がBPMで、70あたりから210ぐらいまで幅広く分布していることがわかります。

ちなみに、楽曲の速度は曲中で変わっていくのが普通ですので、原則としてサビ部分のBPMを取っています。ただ、サビでは測りにくかったために間奏やAメロで取った曲もいくつかあります。

さて、このグラフは一見したところでは点が乱雑に散らばっているようですが、よく見ると左半分と右半分で様子が違っています。左側は散らばりが大きいですが、右側はある程度の幅の中に点が収束していて、ある時点から何か意図を持ってその時期のBPMレベルを決めはじめた様子が感じられるのです。

この左半分から右半分に転換した時点を赤線で示したのが次の写真です。転換点となったのは、あの名曲『リゾナントブルー』(2008年4月)でした。

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高橋愛モーニング娘。のリーダーに就任したのが2007年6月ですので、『リゾナントブルー』がリリースされたのはプラチナ期が始まって10か月ほど経った頃のことでした。

アイドル戦国時代と言われる状況の中で、テレビ露出が減ったプラチナ期のモーニング娘。はライブパフォーマンスのレベル向上に取り組んでいったとよく言われていますね。朝日新聞デジタルにプラチナ期に焦点をあてた素晴らしいインタビューシリーズがありますが、その中で高橋愛が次のように語っています。

「ちょうどその時期(=リーダーに就任した頃)くらいから、他のアイドルグループが増えてきた。次第に“アイドル戦国時代”と呼ばれる状況になっていくのですが、ある時つんく♂さんから『こういう時代だからこそ技術をつけろ』と檄(げき)を飛ばしていただいたことがあって、『とにかく格好よくしなきゃ!』という気持ちが強くなっていきました。その頃から、つんく♂さんが作ってくださる楽曲も本当に格好いい歌詞やサウンドが多くなってきました」

https://www.asahi.com/and_M/20180717/154487/

この最後に語られている楽曲の変化がまさに『リゾナントブルー』以前から以後への転換を指しているのではないかと自分は考えているのですが、どうでしょうか。

さて、グラフの左半分をもう少し見てみましょう。BPMのバラつきが大きい左半分ですが、ちょうどその真ん中あたりで分布の仕方が変わっていることに気付きます。次の写真でハイライトしたように、2003年11月頃から速い曲と遅い曲にくっきり分かれ、それまでボリュームゾーンだったBPM130くらいの楽曲が一切なくなってしまうのです。

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2003年は6期メンバー(亀井絵里田中れいな道重さゆみ)が加入した年ですが、それとこの楽曲BPMの変化との間に関係があるのかないのか大いに気になるところです。

ただ残念ながら、プラチナ期よりも前のモーニングに関しては自分の勉強がまだ全然足りていません。左半分の掘り下げは今後の研究テーマといたします。

次回の投稿では、右半分についてもう少し詳しく見ていきます。