ベビメタ七転八倒

ベビメタのブログだったのに最近は鞘師多め

本当の音とは?

前回書いた巨大キツネ祭りSSA2日目については、その音に関して面白い発見がありました。公演の翌日だったか、会場で録音されたらしい音源ファイルを某所で見つけたのです。その音質が良いのもさることながら、自分が現場で聴いた音にとても近い。

SSA2日目は耳栓のおかげでライブの音を楽しめ、SUのボーカルがヘリウム声に聞こえる問題も解決できたことは前回書きました。この日、ステージの途中で試しに耳栓を外してみたのですが、そうすると残念ながらまたヘリウム声に戻ってしまうのでした。

見つけた録音から聴こえるSUの声はヘリウム声ではありません。また、現場で耳栓をして聴いていた時よりはSUの声が聴き取りやすい感じがします。

録音を何度も聴きながら、ライブの音とは結局のところ何なのだろう、と考えてしまいました。ちょっと理屈っぽくなりますが、考えたことを書いてみます。

ライブの音とは、聴く側である自分から見て次の4つ(A〜D)があります。

A) 現場で実際に鳴っている音

B) 耳栓をしない状態で自分が現場で聴いている音(ヘリウム声に聴こえる)

C) 現場録音が捉えている音

D) 耳栓をした状態で自分が現場で聴いている音

この5つは、A→B→C→D の順に音に含まれる成分が少なくなっていくのだと思います。AとBの差分、つまり自分の耳が受け止められない何らかの音の成分が欠けることによってヘリウム声が生まれる。そして機材の録音では、AとCの差分(AとBの差分+BとCの差分)が丸ごと欠けることによってヘリウム声にならないのだと思うのです。

自分としては、A(現場で実際に鳴っている音)がどういう音なのか聴きたくて仕方がないのですが、こればかりはどうしようもありません。現場ではどうあがいても B(ヘリウム声)か D(成分がかなり欠けた音)しか聴くことができないのです。

大阪の銀キツネ祭りでBの音を爆音で聴き続けなければならなかった時、自分は大きなショックを受けました。音に関する限り、自分はベビメタのライブに行く意味があるのかという大きな疑問が湧いたのです。

そう悩み出すと、デロなどの公式のライブ音源についても考えてしまいます。これらの音源は当然編集の手が入っているわけですが、そうやって出来上がった「作品」はどれだけ実際にライブで鳴っていた音から変わってしまっているのでしょう。

こんな風に考えだすともう泥沼なのですが、幸いなことに巨大キツネ祭りは解決策を与えてくれました。

1) まずは現場に行って、Dの音で楽しめること。

2) 次に、ライブ後に上がってくる音や映像があれば、それを聴き込んで現場での記憶を補強すること。

3) 最後に、WOWOWやデロの画像と音でライブ体験を鮮明なイメージで固めること。

この3ステップが上手くできれば、何が本当の音かを悩む必要は無さそうです。自分の頭の中に作り上げられたイメージこそが、自分にとってのベビメタ体験なのですから。

3段階で一番大事なのは最初のステップです。SSA2日目は耳栓で上手く調整できましたが、翌月の大阪城1日目は色々調節しても快適な音にならず、良い記憶を残すことができませんでした。

長々と面倒な話をしてしまいました。でも最終的には、めでたし、めでたしなのです。その後、12月3日の広島2日目で素晴らしい体験ができたのですから。それについてはまたいずれ書こうと思います。