ベビメタ七転八倒

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METAL GALAXY の普遍性

METAL GALAXY がリリースされ、The Forum でのライブが行われた後、自分はアメリカの西海岸(ロサンゼルス)→ 中西部(シカゴ)→ 東海岸(ワシントンDC)を転々としていました。その間、当然ながら一日中あらゆる機会を捉えて METAL GALAXY を聴き続けていたわけですが、そこで気づいたことがありました。

METAL GALAXY を聴き始めると、目の前の街の風景が急に格好良く感じられる!

新アルバムの中でもとりわけ、FUTURE METAL からの DA DA SANCE、そして Brand New Day から ↑↓←→BBAB への展開でそのように思うのです。

シカゴという街は建築物が有名で、船に乗って川沿いの建物を観てまわるツアーが人気です。工業、金融、医療など、多くの人・資金・資源を動員して巨大な産業を築き上げるアメリカの力を誇示するような威風堂々としたビルが立ち並んでいます。そういった風景は確かに壮観なのですが、やや前時代的な古臭さも感じさせます。ところが、そこに FUTURE METAL が流れた瞬間に、目の前の景色が近未来のように感じられるのです。

あるいはワシントンDC。言わずと知れたアメリカ合衆国の首都であり、政治権力の中枢です。行き交う人も街並みも政治や行政という殻を被ってどことなくギスギスしている。ところがそこに Brand New Day が聴こえ始めた途端、街が急に血の通った場所のように感じられてきます。

これは一体どうしたことなのか。ファーストアルバムでもセカンドアルバムでもこんな感覚を得たことはありませんでした。これまではむしろ周囲を遮断して演奏を聴くことに没入していた。ところが今回の METAL GALAXY は、外に開かれ、世界につながった音楽であるように思うのです。

特に驚くべきは DA DA DANCE です。バブル期の東京という30年前の一都市に刹那的に充満した音楽を思い切り引用した楽曲が、時と場所を超えて地球の裏側で「この場所の未来」を感じさせてしまう不思議。METAL GALAXY を携えて世界中を旅してみたい、そんな思いまで湧いてきます。

こんなことを考えていたところで、つい最近ある日本のバンドの新曲MVが公開されたのを見てショックを受ける経験をしました。自分はそのバンドをかなり気に入っていて、これまでにライブにも何度か足を運んでいます。その新曲がどのようなものか期待して聴き始めたのですが、このところ METAL GALAXY を毎日浴びている自分の耳にはどうしても「過去の音楽」に聴こえてしまうのです。

そのバンドの曲を古いと感じたのはこれが初めてです。むしろこれまでは、従来のハードロックの魅力を踏襲しながら現代的な楽曲に仕上げてきている今の時代ならではの音楽を演奏するバンドだと思っていたのです。

BABYMETAL 恐るべし。METAL GALAXY は、ワープ航法で周囲を一挙に置き去りにした画期的なアルバムではないでしょうか。

時と場所を超えた普遍性を感じさせてくれるという点で、Bring Me The Horizon も素晴らしいですね。もうあと10日に迫ったSSA大阪城のライブは、世界最高峰の音楽体験になりそうで実に楽しみです。