ベビメタ七転八倒

ベビメタのブログだったのに最近は鞘師多め

鳥肌と涙

ベビメタを聴いていると、あまりの凄さに鳥肌が立ったり、感動して涙が出たりしますよね。でも、人間はなぜ音楽を聴いて鳥肌が立ったり落涙したりするのだろう、と気になって、少し調べてみました。

世の中には色々面白い研究をしている学者さんがいるもので、検索したら興味深い論文がいくつか出てきました。音楽を聴いて鳥肌が立ったり涙が出たりするのは本当なのか、そうなる時とならない時で何が違うのか、鳥肌が立つ時と涙が出る時は何が違うのか、といったことを真面目に研究しています。

学術論文なので解釈が難しいのですが、どうやらこういうことが言える模様です。

  • 音楽を聴くことによって、確かに鳥肌が立ったり涙が出たりという状態が発生する
  • 鳥肌が立つのは、聴いている音楽自体を好ましく感じたためのようである
  • 一方、涙が出るのは、音楽自体からの影響もさることながら、その音楽から想起される文脈や背景が影響している

言われてみればそうだよねという感じですが、ライブによって、曲によって、鳥肌系と涙系に分けて捉えてみると結構面白そうです。これまでのベビメタのライブの中で、涙系の代表作と言えば広島と武道館赤でしょうか。一方、巨大キツネやウェンブリーは鳥肌系な感じです。

ジャズで涙系というのは思い浮かびませんが、クラシックでは色々あります。例えば、サイトウ・キネン・オーケストラの初期録音。

サイトウ・キネン・オーケストラは、日本人のトップクラスのソリストを集めて1984年に結成されました。メンバーの大半は桐朋学園斎藤秀雄という共通の師から指導を受けており、その一糸乱れぬ精緻な演奏によって本場ヨーロッパの聴衆に衝撃を与えました。日本のオーケストラが初めて世界の一流に肩を並べることができた歴史的偉業であり、いわばBABYMETALによる世界征服のオーケストラ版だったのです。

このオーケストラが初めて欧州ツアーを実施した時期に遠征先で録音されたCDが何枚かあります。当時はコンサートで絶賛されつつも、一部からは「正確に演奏すれば良いというものではない」といったバッシングも起きていました。この初期の録音を聴くと、演奏の素晴らしさに加えてそんなアウェーでの戦いのことが思い起こされ、思わず涙目になってしまうのです。

さて、2017年のBABYMETALは、巨大キツネ祭りというベビメタ史上最高の鳥肌系ライブと、広島 LEGEND-S という空前絶後の涙系ライブという、東西横綱が並び立った最高の年だったと言えるでしょう。

巨大キツネ祭りでは、SSA大阪城ホールで計4回あった公演のうち、自分の鳥肌度ではSSAの2日目が特に凄かった。SSAのあの巨大な空間を音量よりもグルーヴで揺るがしてしまう様子が、音雲に落ちていた音源からも鮮明に伝わって来ます。

広島は、音についてだけ言えば2日目の方が良いと感じますが、涙系ライブとしては、驚きでどよめく観客の声が生々しい1日目に軍配が上がるでしょう。GJのイントロが始まった直後のおおっ!という感じとか。そしてNRNR。広島のNRNRを知ってしまった以上、今後この曲を涙無しに聴くことは不可能です。

3月31日のWOWOW放映がどのようなものになるのか、期待で胸が高鳴りますね・・・。